AIプロジェクト成功のコツ

AIプロジェクトは一般的なITプロジェクトに比べ難易度が高いと思います。その理由として、データを入れるまでどんな結果が出るか分からないなど不確定要素が多分にあるからです。

 

色々なAIベンチャーの話を聞いていると継続するAIプロジェクトは5割ほどの印象です。

私の持っているAIプロジェクトは顧客からの継続依頼率10割、弊社側が継続を引き受けたプロジェクトは8割ほど(年間7,8プロジェクト持ってます)。この継続率は社内でも高いので、そのコツをお伝えできればと思います。

 

  • 一番重要なのはAIの設計図作り

 

AIプロジェクトにおいて最も重要なのは、どんなAIを作れば、顧客の課題を現状のAI技術で解決るか設計図を作ることです。

 

例えば、お客さんが会議を自動化してくれるAIが欲しいと言ってきたとします。

 

このとき、新米のAIエンジニアなら、音声対話技術と自然言語処理技術などDeepLearningベースの技術を組み合わせて会議の内容を理解しするAIを作ろうと提案してきます。これは現状のAI技術ではほぼ不可能ですので、良くない提案です。

 

もし、私がこのような案件を受けたら、DeepLearningをベースにするのではなく、選択式のアンケートシステムをベースにします。

AIの技術はアンケートの質問数を個別最適化させるところにランダムフォレストなどを入れたり、アンケートのUIを入力しやすくするためにサブ的にDeepLearningを用いた音声認識技術や自然言語処理技術を使います。

 

重要なのは、すでに実用的な技術をベースにサブ的に使えそうなDeepLearning技術を入れることです。そうすることで、地に足の付いた技術提案が出来ると思います。

 

  • 精度は前処理で決まる

AIの精度は使う手法で決まると思っている方が多いとは思います。例えば、DeepLeaningはsvmより数十%高精度など。

しかし、実際はほとんど精度は変わりません。変わっても数%〜十数%ほど。

 

しかし、データの前処理を頑張れば、十%〜数十%ほど変わります。

 

なので、AIのエンジニアは泥臭い仕事ですが、前処理に工数の7割ほど使う覚悟で頑張りましょう。

前処理のコツは各クラスの特徴が出やすいデータを作ることです。

 

AIモデルにデータを初めて入れたときはあまり精度が出ません。しかし、原因を特定し、その解決方法を試していく作業を繰り返すうちに除々に精度が上がってきます。3ヶ月で5,6回くらいこのサイクルを回せると良いと思います。

解決方法を見つけるコツは、これやれば絶対精度上がりそう、という方法を使う、もしくは作ることです。もしかしたら精度が上がるかもという方法は大体上がらないので、このように表現しました。

 

以上、主に上の3点を注意してプロジェクトを進めれば、AIプロジェクトはうまくいくはずです。